私たちの周りには、年をとったり病気になったりして、日常生活に手助けが必要になる方がいます。
特に東京の下町エリアでは、高齢者の方が多く暮らしていらっしゃいますよね。そんな方々を支える制度として「介護保険」があります。
介護保険を利用するには、まず「どのくらい介護が必要か」を判定する必要があります。これを「要介護認定」と呼びます。
軽い方から「要支援1・2」、そして「要介護1~5」まであります。
最も介護が必要な「要介護5」の場合は、1日に110分以上の介護時間が必要と判断された方が該当します。
では、どうやって判定するのでしょうか?
まず、市区町村から調査員が自宅を訪問します(委託を受けた機関の認定調査員が訪問する場合もあります)。調査員はその人の生活の様子を詳しく確認し、マークシートに記入します。
例えば、「食事はご自分でできるか」「お風呂にお一人で入れるか」といった項目をチェックしていきます。このマークシートの内容は、とても重要な判断材料となります。
さらに調査員は、マークシートでは表現しきれない生活の様子や本人の状態を「特記事項」として詳しく記録します。
例えば、「手すりを使えば階段の上り下りができる」「日によって状態に波がある」といった具体的な状況です。この特記事項は、後の判定で大きな役割を果たします。
また、かかりつけのお医者さんからも意見書を出してもらいます。
このマークシートはコンピュータで分析され、「1日にどのくらいの介護時間が必要か」を計算します。これを「1次判定」と呼びます。
例えば、1日に25~32分の介護が必要な場合は「要支援1」、32~50分必要な場合は「要介護1」というような具合です。更に最も重い要介護5の場合には1日に110分以上という基準になります。
このコンピューター判定は、全国どこでも同じ基準で判断できる重要な仕組みとなっています。
意外に思われるかもしれない例として、末期がんで余命が短いと診断された方でも、日常生活が自分でできる場合は、軽い判定になることがあります。
これは、この制度が「どれだけ介護の手間がかかるか」を基準にしているからです。
最後に、専門家たちが集まる「認定審査会」で、コンピュータの判定結果と医師の意見書、そして調査員が記録した特記事項を総合的に検討しながら、最終的な判定を決めます。これを「2次判定」と呼びます。
このように、要介護認定は、その人にどのくらいの介護が必要かを、公平に判断するための大切な仕組みなのです。この判定結果によって、利用できるサービスの内容や量が決まってきます。
株式会社中央ケアサービス エールハート小岩 山本大勝